電動スケボーの落とし穴!?実はデッキの硬さが乗り心地を左右する!

2019年3月6日

電動スケボーの柔軟性 Backfire G2s

どうも!でんすけ(@densuke_esk8)です!

 

電動スケボーは決して安くない買い物ですが、日本国内においてはWEBショップからの購入が一般的なため、実際にその乗り味を体験してから購入するといったことはほとんどできません。

つまり「買ってみたら乗り味が悪かった」というリスクが常につきまとうわけで、そう考えるとなかなか手が出しにくいですよね。

しかし、実は実際に乗らなくてもある程度その電動スケボーの乗り味を推測することはできます。

注目したいのが「デッキの硬さ(柔軟性)」

普通のスケボーにおいてはあまり聞かないかもしれませんが、電動スケボーにおいてはデッキの柔軟性をチェックすることがものすごく大切です。

そんなわけで、今回は電動スケボーにおけるデッキの重要性と、柔軟性を持つかどうかの見分け方をご紹介したいと思います。

 

電動スケボーにおいてデッキの硬さ(柔軟性)に注意が必要なわけ

デッキの柔軟性に注目したい理由は、主に次の2つ。

  1. 高速域で走行が可能な分、振動や路面のギャップの影響を受けやすいから
  2. バッテリー等を搭載する関係でデッキの柔軟性が犠牲になっている可能性があるから

つまり、電動スケボーにおいては普通のスケボー以上にデッキの柔軟性が重要
にもかかわらず、普通のスケボー以上にデッキの柔軟性が軽視されている可能性があるわけです。

それぞれ詳しく解説していきます。

 

1.電動スケボーは路面のギャップを受けやすい

最新の電動スケボーの最高速度は40km/hにも達します。

これは平地に限れば到底普通のスケボーで出せるスピードではありませんよね。

ここで注目したいのが、速度が速くなると路面のギャップ(凹凸)へのリスクも高まるということ。

細かすぎるギャップの場合はスピードが出ることで逆に無視できるレベルに感じられることもありますが、例えば1cm程度の大きなギャップの場合は別。

1cm程度の大きなギャップでもゆっくり通過すればウィールが路面から離れることはほとんどありませんが、勢い(速度)があると乗り手が強い衝撃を受けたり、ウィールが地面を離れてジャンプ台かのように飛び出そうとします。

こんなとき、デッキに柔軟性があるとギャップから受けた反発力をデッキが吸収し、乗り手への衝撃を緩和するだけでなく、ウィールが路面から離れすぎるのを防いでくれるわけです。

 

また、デッキが柔らかければ走行中の細かな振動も吸収してくれるので、単純に乗り心地が良くなります。

自動車やバイクにはサスペンションというショックを吸収するためのバネが設けられていますが、スケボーにはこれがありません。

スケボーにおいてショックを吸収できるパーツはデッキの他には基本的にトラックに組み込むブッシュのみ。

しかしブッシュの硬さはターン性能(旋回性)を大きく左右しますから、基本的に路面のギャップに対してはデッキの柔軟性で対処すると考えた方が無難です。

 

中にはデッキテープにクッション性を持たせたものも存在しますが、これは微振動を軽減する程度の効果しかないので過信は禁物。

それどころか、厚底の靴を履いたかのように足裏から伝わる様々な情報にダイレクト感がなくなる恐れも・・・。

 

例外として、オフロードモデルにみられる大径ラバーウィール(タイヤ)を採用している場合は、それ自体がショックを吸収してくれる働きを持つため、多少デッキの柔軟性が悪くても高い走破性を確保することが可能です。

加えてデッキも柔軟なBackfire Ranger X1などは、本当に高い走破性と走行安定性を持つので、実はオンロード走行においてもおすすめできる1台でもあります。

↓オフロード対応電動スケボー「Backfire Ranger X1」↓

もちろん、普通のスケボーにおいてもある程度柔軟性を持たせることは重要で、一般的にハードメープルと呼ばれる重厚かつ柔軟性を持つ材料を用いたり、中には軽さにも優れるバンブー(竹)を材料としたデッキもあります。

ただ、普通のスケボーではそれが当たり前であることに加え、電動スケボーほど柔軟性に悪影響を与える要素がほとんどないため、その重要性が強く叫ばれることはあまり多くありません。

 

2.電動スケボーはデッキの柔軟性が犠牲になりやすい

ここが通常のスケボーとは異なる最大の問題。

電動スケボーには普通のスケボーにはないバッテリーや基板といった機械部品が取り付けられます。

その結果、重量が重くなるばかりでなく、デッキの柔軟性までもが低下してしまうのです。

言ってみれば、柔軟なデッキが曲がらないよう、添え木のようにバッテリーで補強しているようなもの。

むしろそのくらいならまだかわいい方で、中にはバッテリーが曲がらないようにデッキを硬くしている電動スケボーまで。

ひどいものになると、およそスケボーのノウハウも持たないであろうメーカーが、ただの板にモーターとバッテリーを取り付けただけのような代物を販売していたりもします。

 

しかし、当然これらの問題を把握し、対策をしているブランドも多々あります。

そこで、次の項では具体的にデッキの柔軟性を見極める方法をご紹介したいと思います。

 

デッキが硬さがない、柔軟な電動スケボーの見極め方!

注目したいのは次の3点。

  1. デッキの材質や厚みは適切か
  2. バッテリー内蔵型かどうか
  3. バッテリーがデッキ中央に配置されていないか

それぞれ詳しく解説していきます。

 

1.デッキの材質や厚みは適切か

電動スケボーの柔軟性 Backfire G2s デッキの材質や厚さ

デッキの素材は普通のスケボーと同等のものをチョイスすればOKです。

例えば北米産メープルや、反発力にも優れるバンブーなどを材料としていれば、ある程度の柔軟性が期待できます。

側面から木材の層が見えるような電動スケボーであれば、ある程度信頼がおけるとみて良いかもしれません。

 

実は初期の電動スケボーの中にはバッテリー等への影響を最小限に抑えるため、硬い素材を使ったり厚みを持たせることで逆にデッキをガチガチに硬くしたものも多くありました。

軽量さを重視するためにカーボンを採用している電動スケボーもありますが、基本的にデッキは硬め。

「硬いデッキは高速走行時に安定する(ボードが暴れにくい)」という意見もありますが、反面乗り味が硬く振動やギャップに弱いなど、デメリットが多すぎるのでやはり注意が必要です。

乗り味を優先するのであれば、この辺りは数字で見えるスペック以上に注意する必要があります。

 

2.バッテリー内蔵型かどうか

バッテリー内蔵型電動スケボー Teamgee H9 裏面

先に断っておきますが、バッテリー内蔵型にはバッテリー内蔵型の良さがあります。

最もわかりやすいのが外観のスマートさですね。

バッテリー内蔵型の電動スケボーは、その名のとおりデッキ内に電子部品のほとんどが詰め込まれており、外からは電動スケボーであることがわかりにくい点が最大の特徴です。

多少デッキが硬くてもある程度の慣れがあれば“それなりに”乗りこなすことは可能ですし、このスマートな見た目を優先することは決して悪いことではありません。

ただし、バッテリー内蔵型モデルに極上の乗り味や性能は求めない方が無難です。

 

さて、バッテリーを内蔵することはデッキの柔軟性に少なからず悪影響をもたらします。

デッキ内にバッテリー類があるということは、当然デッキの一部をくりぬいてバッテリーを配置しているわけで、そうなるとデッキの強度面が不足してしまいますよね。

そのため、一般的なデッキよりも剛性が高い材料、要するに硬い材料を採用していたり、デッキ自体が厚く柔軟性が犠牲になっている可能性が高いわけです。

昨今では柔軟性のあるバッテリーも出てきていますし、究極的にはバッテリーを内蔵しても現代のデッキと同等の柔軟性と耐久力を持つデッキが誕生する可能性はありますが、現時点では「バッテリー内蔵型電動スケボーのデッキ柔軟性はあまり高くない」と考えておいた方が良いでしょう。

 

3.バッテリーがデッキ中央に配置されていないか

例えば写真のBackfire G2sをはじめとする最新の中華製ボードや、最大手Boostedのロングタイプ、国内ブランドEFINITYの最新モデルTYPE1200Rなどがこれに該当し、これらは見るからにデッキの柔軟性が期待できます。

どういうことかと言うと、デッキの中央を避けてバッテリーや基板などが配置されているのが最大のポイント。

これによって、通常のスケボーと同じようにデッキ中央がしなることが可能となり、この“しなり”が路面のギャップを効率良く吸収して高い乗り味を実現するわけです。

私が実際に乗ったことがある中でこれに該当するのは第二世代のBoostedと所有しているBackfire G2s。

いずれもバッテリーはボード中央を避けて配置されており、デッキの柔軟性は十分。

他とは比べ物にならない乗り心地を実感しています。

 

EFINITY TYPE1200Rについてはまだ私も実物を見たことがないのですが、調べる限りではなかなか良さそうなので、チャンスがあれば乗ってみたいですね。

機会があればレビューしてみたいところ。

 

一方、注意したいのはその逆。

「デッキ下、中央付近にバッテリーが設けられている電動スケボー」最も警戒する必要があります。

これは先のバッテリー内蔵型と同等か、もしかするとそれ以上に柔軟性がない可能性も。

例えば、同じBoostedでもBoosted Miniシリーズはデッキの中央付近にもバッテリーが配置され、かつショートデッキを採用しているため、デッキの柔軟性はほとんどないと考えて問題ないはず。(それでもあのコンパクトさは魅力的ですが)

 

超高速域では柔軟なデッキはバタつく恐れがあるが・・・

実はデッキが“しなり”すぎると、それはそれで「一定スピードを超えるとボードが暴れ出して安定感がなくなる」というデメリットが顔を出します。

特に普通のロングスケボーで超高速ダウンヒルを楽しむ場合にはそこそこ大きな問題となる場合も。

先ほども少し触れましたが、実際バッテリー内蔵型のようにデッキが硬めの電動スケボーには、高速走行時に安定しやすいというメリットがあり、それをうたい文句に宣伝しているボードも存在します。

ただ、電動スケボーはバッテリーを搭載する必要があることから、現時点ではどんなに工夫してもデッキの柔軟性と軽量化には限界があります。

加えて現行の電動スケボーの最高速度は40km/h程度ですので、コントロールできないほどのバタつきはほとんど起こりません。

多少不安定さを感じたとしても、トラックの調整(キングピンナットの締め付け)で制御できるレベル。

更に、この問題はある程度なら慣れでも解消できますが、乗り心地の悪さは慣れでは解消できない(我慢するしかない)ので、やはり個人的には(制限体重を超えない限り)柔軟性を重視するのがおすすめです。

 

まとめ│基本的にデッキは硬いより柔らかい方が良い

おさらいしてみましょう。

デッキが硬いと路面からの衝撃を吸収することが難しくなり、乗り心地が犠牲になってしまうので注意が必要です。

特に電動スケボーは高速域での走行が可能な分、本来は普通のスケボー以上にデッキの柔軟性が重要ですが、にもかかわらずバッテリー等を搭載する関係でその柔軟性が犠牲になる傾向があります。

そこで注目したいのがデッキの材質や厚みとバッテリーの位置。

特に、デッキの中央付近が“しならない”ボードは乗り心地が悪い傾向にあるので注意が必要です。

もちろん、多少デッキが硬くても路面次第ではそれなりに乗りこなすことが可能ですので、見た目を最優先としてバッテリー内蔵型を選択するのは悪いことではありません。

要は「何をどこまで求めるか」

もし見た目よりも乗り心地を重視するのであれば、デッキの硬さ(柔軟性)は要チェックです。