電動スケボーとは?駆動方式やバッテリー配置別のメリットデメリット

2019年3月1日

電動スケボー ベルトドライブ Evolve Bamboo GTX series 2IN1

画像引用元 – Bamboo GTX Series 2in1 – Evolve Skateboards Australia

どうも!でんすけ(@densuke_esk8)です!

 

一口に電動スケボーと言っても、実はその仕組みや構造には様々なタイプがあるのをご存知でしょうか。

モーターが外から見えるものと見えないもの、
バッテリーが外から見えるものと見えないもの、
それぞれどんなメリットやデメリットがあるのか気になりますよね。

そんなわけで、今回主に取り上げるのは電動スケボーの駆動方式の違いとバッテリーの搭載方法の違いです。

加えて電動スケボーの一般的な操作方法についても簡単に触れてみたいと思います。

それぞれの方式の特徴を簡単に、かつわかりやすくまとめてみましたので、電動スケボーを選ぶ際は是非参考にしてみてください。

 

電動スケボーとは?駆動方式やバッテリー搭載方法の違い

電動スケボーとは、その名のとおり「電気の力で動くスケートボード」のことです。

具体的にはデッキ下、またはデッキ内にバッテリーを擁し、そのバッテリーから得られる電力でモーターを駆動させます。

このモーターの回転を利用してウィールを回転させるわけですね。

 

しかし、たったこれだけだけのシンプルな乗り物でも、実際には様々なタイプが存在しますので、ここではその辺りを詳しく解説していきたいと思います。

 

ベルトドライブ方式とハブモーター方式

一般的な4輪タイプの電動スケボーは、「ベルトドライブ」と「ハブモーター」の大きく2種類の駆動方式に分けて考えることができます。

ベルトドライブとハブモーター、それぞれの特徴とメリット・デメリットは次の通り。

 

こちらの記事で更に詳しくまとめています↓

 

ベルトドライブの特徴とメリット・デメリット

電動スケボー ベルトドライブ boosted stealth

画像引用元 – Boosted Boards Stealth electric long range skateboard

デッキの下や後方に設けられたモーターを、プーリーやベルトを用いてウィール(駆動輪)と接続したものがベルトドライブタイプの電動スケボーです。

「Boosted Boards」や「Evolve Skateboards」といった超メジャーなメーカーもこのベルトドライブ方式を採用しています。

 

ベルトドライブのメリットはトルク(わかりやすく言えば加速力)を得やすいということ。

ベルトを介すということは、そこで簡単に変速比を導入することができるわけです。

そのため加速感に優れ、乗り心地が良いという意見も多いですね。

 

またハブモーター方式と比べて熱対策がしやすいという点にも注目。

長時間の走行や坂道走行などの負荷がかかりやすい走行、真夏の走行などにおいてはモーターがオーバーヒートし、本来の力を発揮できないリスクがありますが、ウィールとモーターが分離しているベルトドライブであれば、モーターを空冷することが可能となります。

よって、長時間の使用等でも比較的パフォーマンスが低下しにくい可能性があります。

 

デメリットは動作音が大きいことと、部品点数が多い分故障のリスクが高いということ。

正直、ハブモータータイプと比べるとかなりうるさいです。

また、ベルトやプーリ―といった部品はごみやほこり、水といった外的要因の影響を受けやすく、場合によってはメンテナンスが必要なこともあります。

またモーターがデッキ下や後方に突起するため、見た目がスマートとは言い難い点も欠点の一つですね。

 

個人的にはOwnboardというブランドが2019年の最新モデル「W2」でハブモーターからベルトドライブに切り替えたのが少し気になっています。

単純に市場大手のBoostedのコピー及びブラッシュアップに専念したという可能性も捨てきれませんが、ベルトドライブならではの加速感や乗り味が見直されつつあるのかもしれませんね。

 

ハブモーターの特徴とメリット・デメリット

電動スケボー デュアルハブモーター Backfire G2s

画像引用元 – Backfire Electric Skateboard Surfing the Road | Official Website Shipping Worldwide

ハブモーターは別名インウィールモーターとも呼ばれ、文字通りウィールの中にモーターが内蔵された方式を表します。

特に昨今では左右両輪にモーターを内蔵した「デュアルハブモーター」タイプの電動スケボーが増えています。

ハブモーター方式は今や大小問わず様々なメーカーが採用しており、例えば「Backfire Boards」というブランドは日本国内でも有名ですね。

 

ハブモーター方式のメリットは、なんと言ってもそのスタイリッシュな外観にあります。

外からモーターが目視できないため、ベルトドライブタイプと比べると圧倒的に普通のスケートボードに近い見た目と言えます。

またベルトドライブと比べて動作音が小さい点も◎。

個人的には、この「静か」というただ一点だけでハブモータータイプを選ぶ価値はあると思っています。

 

デメリットは熱と衝撃の影響を受けやすいことでしょうか。

特にウィールはただでさえ走行を重ねれば熱を持つため、内蔵されたモーターにとっては悪条件と言わざるを得ません。

例えば長時間坂道を全開走行するなどした場合は一時的に性能が低下する可能性も。

しかし、管理人はこれまで熱によるハブモーターの性能低下を体感したことはそれほど多くありません。(一度坂道を数分間全開走行したら加速が鈍くなったことはありますが数分放置したら回復しました)

製品として世に送り出されている以上、よほど劣悪な環境下で酷使しない限り、大きな問題にはならないだろうと考えています。

 

シングルモーターとデュアルモーターの違い

文字通り、シングルモーターならモーターが1つ、デュアルモーターならモーターが2つ搭載されていることを表します。

実際にベルトドライブ、ハブモーターを問わず、いずれも左右どちらか1輪のみを駆動させるシングルモータータイプ(シングルドライブ)と、左右両輪を駆動させるデュアルモータータイプ(デュアルドライブ)の電動スケボーが存在します。

シングルドライブは2016年頃まではメジャーな方式でしたが、実は左右の旋回性に差が生じるという決定的な弱点があり、昨今では軽量さをウリとする電動スケボーにおいてもあまり採用されなくなっています。

左右どちらかのタイヤしか回らなければ、普通に考えてバランスが悪いことは明白ですよね。

また加速時のトラクションや直進安定性、ブレーキの面でもデュアルドライブの方が明らかに優れています。

 

安価で低スペックな電動スケボーにおいては未だにシングルモーターを採用したものも散見されますが、ハッキリ言ってこれらは絶対に避けたい選択肢と言えます。

2019年現在、電動スケボーを買うならデュアルモーターが採用されたモデルからチョイスすべきと断言します。

 

2輪駆動と4輪駆動の違い

電動スケボーの多くは2輪駆動ですが、中には4輪全てが駆動輪の電動スケボーも存在します。

4輪駆動のメリットは、パワフルな加速と高い走行安定性。

オフロードモデルにおいては砂利道等においてもスタックしにくくなり、高い走破性にも貢献します。

しかし、その反面重量は大きくなり、モーターが多い分バッテリー消費も激しく、更には高額になるといった数々のデメリットが目立ちます。

この辺りは自動車の4WDと同じですね。

そもそも電動スケボーにおいては今のところ4輪駆動はあまり一般的ではなく、特に日本では入手が困難なので、敢えて苦労して入手するメリットがあるかどうかは疑問です。

 

ちなみに昨今の2輪駆動の電動スケボーの多くはリモコン操作で進行方向を逆転できるため、モデルごとに前輪駆動や後輪駆動といった住みわけがされることはありません。

余談ですが、前輪駆動で乗る場合と後輪駆動で乗る場合では、当然加減速や旋回性、直進安定性といった乗り味が異なるため、いろいろ試してみると面白いかもしれませんね。

 

バッテリーの搭載方法│外付けタイプと内蔵タイプ

電動スケボー バッテリー内蔵型 Teamgee H9

画像引用元 – TEAMGEE H9 Ultra-thin & Lightweight Electric Skateboard│Best Perform - teamgee

次に紹介したいのがバッテリーの搭載方法の違い。

多くの電動スケボーはデッキの下面にハウジングを設け、その中にバッテリーを収納するのが一般的です。

中にはKoowheelのように簡単にバッテリーを取り外せ、予備バッテリーと交換できる電動スケボーも。

 

しかし、まれにデッキの中に薄型のバッテリーを内蔵した電動スケボーが存在します。

有名どころで言うと、かつて日本でも人気の高かった「STARY」やAmazonでお手軽に購入できた「Exway X1」、現在もYahoo!ショッピングで購入可能な「Teamgee H9」や「Teamgee H6」などがこれにあたります。

共通点はデッキ自体が薄型で一見普通のスケートボードのような外観を実現している点。

 

デッキ内蔵型は一般的なハウジング型(外付け型)と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。

もっとも大きいのは、やはり外観がスタイリッシュだという点ですね。

また、実現のためにどうしても小型のバッテリーを搭載する必要があるため、軽量であることも一般的です。

 

デメリットはバッテリーが小型なため走行可能距離が短くなりやすい、という点もそうですが、何より注目したいのはデッキが硬くなりやすいという点です。

デッキの中にバッテリー等が内蔵されているのですから、柔軟性を持たせるにも限界があるわけです。

ちなみにデッキが硬くなると路面の凹凸の影響をもろに受けるようになり、乗り心地が悪化してしまいます。

このため、特に初心者においてはコントロールが難しく感じられることもあるかもしれません。

限りなくフラットな路面においてはそのデメリットも感じにくいかもしれませんが、日本国内においてはそういった路面を探すこと自体がものすごく困難という問題も。

敢えて良い言い方をすれば、乗り味が硬い分加速感が強く感じられるという見方もできますが・・・。

 

一方、バッテリー外付けタイプの電動スケボーの多くは。デッキの柔軟性やトラック(足回り)を改善して乗り味に力を入れている印象を受けます。

そのため、走行性能や乗り味を第一に重視するのであれば、現状圧倒的にバッテリー外付けタイプを選んだ方が良いと言えるでしょう。

 

電動スケボーの操作方法

電動スケボー ベルトドライブ Evolve Bamboo GTX series 2IN1

電動スケボーの操作方法でもっとも一般的なのがリモコン式。

Bluetooth等の無線接続でボードとリモコンをペアリングし、そのリモコンを手で操作することでボードを動かします。

具体的には「ダイヤル型」もしくは「ジョイスティック型」の操作スイッチを一方に倒すと加速し、逆方向に倒すと減速するといった具合。

正確に調査したわけではありませんが、現状9割以上の電動スケボーがこれらの操作方法を採用しているのではないでしょうか。

個人的には突起の少ない「ダイヤル型」の方が繊細な操作をしやすく、何かに引っ掛けて誤動作する心配がないという面でも優れていると感じます。

いずれも親指を少し動かすだけで簡単に加減速が行えるため、当然通常のスケートボードのように地面を蹴って進む必要も、地面に足を付いて止まる必要もありません。

地面を蹴らなくていいことと、加えていちいちボードに乗り降りしなくていいという二つのポイントから、普通のスケボーとは比較にならないほど“楽”な乗り物と言えますね。

 

ちなみに電動スケボーはモーターを用いて十分な加減速が可能なため、一般的に外付けのブレーキは備わっていません。

しかし電動スケボーにおける急ブレーキは乗り手が前方に放り出されるリスクにつながりますし、マイルドな減速が可能なモーター制御の方が適しています。

よほど安価で低品質な電動スケボーでもない限り、モーターによる減速でもしっかりと止まりますので心配は不要です。

 

リモコン式の他に乗り手の荷重移動に反応して加減速するタイプもあるにはあります。

しかし、一般的に4輪の電動スケボーは「セグウェイ」をはじめとする2輪タイプと異なり前後の荷重を検知するのが難しいため、この方式は一般的ではありません。

ただし、後述のワンウィールタイプの電動スケボーなどはこの方式を採用しています。

 

ちょっと特殊なワンウィールタイプ

電動スケボー Onewheel

画像引用元 – About-Onewheel // Future Motion

2018年に「ぐるナイ」でケンティーこと中島健人さんが同型の電動スケボーに乗ったことでも話題になりました。

ワンウィールタイプの電動スケボーはボード中央に大きなウィールが配置されており、ウィールを軸に前後の荷重を検知して駆動する方式を採用しています。

ウィールが一つしかないのでその場で静止するのは難しく、一般的な電動スケボーよりバランス感覚や技術を要します。

一般的な電動スケボーと比べると最高速度は低めで重量もあるため、クルージングを楽しむというよりは、セグウェイのように「その操作性と動作自体を楽しむジャンルの乗り物」と言えるかもしれませんね。

 

あとがき│それぞれのメリット・デメリットを見極めた選択を!

電動スケボーという括りの中にもさまざまなタイプが存在します。

これらを一つでも多く知識として持つことで、より自分に合った1台を選択できる可能性が高まるのではないかと思います。

電動スケボーはまだまだ安い買い物ではありませんから、それぞれのメリット・デメリットを見極めて最適な選択をしたいですね。

是非参考にしてください。