コンケーブとは?電動スケボーにおけるメリット・デメリット
引用元 – Teamgee H9 Ultra-thin & Lightweight Electric Skateboard Longboard | Be – Teamgee Skateboard
恐らく電動スケボーを購入する際にコンケーブの有無をチェックする人はそれほど多くないでしょう。
コンケーブ(concave)とは「凹状の」といった意味で、スケボーにおいてはデッキを正面から見たときに左右に反り上がった形状のことを指します。
あなたはこのコンケーブがもたらすメリットをご存知でしょうか。
また、コンケーブがあるデッキは電動スケボーにおいてはどのように評価するべきでしょうか。
今回はでんすけの考えるコンケーブが深い電動スケボーを選ぶメリット・デメリットを紹介したいと思います。
コンケーブが深い電動スケボーを選ぶメリット
まず言えるのは、コンケーブがあるデッキは靴裏とのフィット感が強く、平らなデッキよりもグリップが効いて安定するということ。
平らで足を乗せておくだけのデッキと、コンケーブによって足裏全体がフィットするデッキ。
当然後者の方が踏ん張りやすく、スピードが出ても安定感、安心感が得られます。
高い速度で走行可能な電動スケボーにおいては、安定感を上げられるというメリットは見逃せません。
また、コンケーブがあれば直進時だけでなくターン時の安定感も倍増します。
コンケーブに沿わせて足裏で踏ん張ることができるので、遠心力にも負けない力強く鋭いターンが可能。
まるで足裏とデッキが一体になったような感覚で、スノボのような多少力任せの操作も許容してくれるようになります。
また、その一体感によって足裏でダイレクトにボードの挙動を把握することができるようになることも大きなメリットですね。
直進時、ターン時の安定感の向上はもちろんのこと、コンケーブがあると操作性自体も良くなります。
「安定感が増すことで思い切り良く荷重をかけられるようになる」ということも理由の一つですが、もう一つの大きな理由はその形状自体にあります。
コンケーブありのデッキの場合、「デッキを傾けてもデッキ端が低くなりにくい」ということが最大のポイントです。
これは文章で説明してもちょっとイメージしずらいと思うので、簡単にスケッチしてみました。
簡単かつ大げさな絵ですが、湾曲している線がコンケーブありのデッキ、直線が平らなデッキだと思ってください。
それぞれ同じだけデッキを傾けても、コンケーブがある方が高い位置にデッキ端がありますね。
要するに、デッキを大きく傾けても乗り手がバランスをくずしにくいため、安心してデッキ端に荷重をかけられるというわけです。
また、コンケーブがあるとつま先とかかとが最初からデッキとフィットしていることもポイント。
平らなデッキの場合はつま先とかかとの接地感が薄いため、荷重の変化から実際の動作までに“遊び”が生じますが、コンケーブがあると最初からダイレクトな入力が可能なため、わずかですが少ない動きでデッキを傾けることができます。
コンケーブが深い電動スケボーのデメリット
電動スケボーの場合、コンケーブが深いことによるデメリットもいくつか存在します。
まず一番は操作がピーキーになりやすいということ。
これは先のメリットと表裏一体な部分があります。
先に「コンケーブが深いとデッキを傾けやすくターンがしやすい」というメリットを紹介をしましたが、裏を返せば「不意の入力でデッキが傾きやすい」という可能性があることも示しています。
電動スケボーにおいては40km/hを超える高い速度で走行することも可能ですが、こういったシーンではほんのわずかな入力であっという間にバランスを崩す可能性も考慮しなければなりません。
また、コンケーブがあると構造上デッキの前後方向の剛性が高まることもピーキーさに拍車をかけます。
平らなデッキの場合、次の写真のようにデッキに柔軟性を持たせることが可能です。
しかし、コンケーブがあるとこの向きの剛性はかなり高くなり、ここまで曲げることはほぼ不可能です。
名刺やトランプなどの厚めの紙で試してみると、この違いがよくわかるはず。
剛性が高いということは路面からの振動がダイレクトに伝わるということを意味しており、結果的に乗り味も硬くなります。
ただし、乗り味の硬さはデッキの硬さだけでなくウィールやトラック、デッキテープなどの影響も受けるため、これらで十分に振動を吸収できているようであれば、このデメリットはあまり気にする必要はありません。
また、ライザーパッド(クッションパッド、ショックパッド)をデッキとトラックの間に取り付けることでも改善可能です。
そもそもデッキの剛性が高いと高速走行時には安定感が生まれるため、耐ショック性さえ気にならないレベルになれば高速走行にはマッチした仕様であると言えます。
そもそも電動スケボーにおいてはバッテリーの搭載位置などの関係で剛性が高くなりがちなので、振り切るという意味でコンケーブをつけるのは賢いのかもしれませんね。
なお、操作のピーキーさに関してはキングピンナットの締め具合やブッシュの交換、高速走行時に足の置き方を変えることなどである程度改善することが可能です。
中にはWINboard Spark Sのように、ドロップスルー構造により重心を低くすることで安定性を向上させ、このデメリットを相殺しているモデルもあります。
もちろん慣れの問題もありますし、ピーキーと感じなくなれば、結局は操作性が良いというメリットに行きつきます。
この点、少しスポーティーな乗り味が楽しめると言えるかもしれません。
もう一つ注意したいのは平らなデッキと比べるとスタンスを変えた際に違和感が生じやすいという点。
「フリップ系で抜きにくい」なんてことは電動スケボーにおいては全く関係ありませんが、仮に「一般的なロングボードのようにステップを踏んで遊びたい」というのであれば、コンケーブなしの電動スケボーを選んだ方が無難かもしれません。
しかし、普通にクルージングを楽しみたいということであれば頻繁に足を動かす必要もありませんし、問題ないはずですね。
コンケーブが深い電動スケボーのメリット・デメリット│まとめ
コンケーブが深いことによるメリットは次の通り。
- デッキと足裏がフィットして安定感抜群
- ターン時にも踏ん張りやすい
- 足裏でボードの挙動を掴みやすい
- 荷重をかけてもバランスを崩しにくい
- 結果ターンしやすく、操作性が良い
デメリットは次の通り。
- ピーキーな操作性には慣れが必要
- 乗り味は硬くなりがち
- スタンスを変えにくい
高速走行が可能な電動スケボーにおいては、乗り手の安定感の向上はとても大きなメリットと言えます。
ただし、入力に対して過敏に反応する可能性があるので、これに慣れるまではある程度走り込む必要があるかもしれません。
これを克服すれば意のままに操れる感動を味わえるので、総じてコンケーブのある電動スケボーを選ぶのはおすすめできます。
ドロップダウンやドロップスルーの有無と合わせて、電動スケボー選びの際はコンケーブの有無にも是非注目してみてください。
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