ついにBackfireまでベルトドライブに!?ハブモーター全盛期の終わり

どうも!でんすけ(@densuke_esk8)です!

 

2020年3月19日、日本でも人気の高いBackfire boardsがインスタグラムで「とある投降」をしました。

それがこちら。

 

Backfireはハブモーター仕様の電動スケボーで最も成功したメーカーの一つと言っていいでしょう。

そのBackfireがついに「ベルトドライブ」に手を出すようですよ!

 

ベルトドライブBackfire(仮)について現時点で分かっていること

インスタの投稿の要約すると次の通り。

  • 既に量産準備中(2020/4/15よりデリバリー開始)
  • 12S 21700バッテリーを採用
  • ウィールは96mm
  • LEDランプ搭載
  • 価格は送料無料で700USD未満

また#backfireg3のタグがあることから、おそらく現行のBackfire G3のベルトドライブ版としてリリースされると思われます。

なんだか2019年にデビューしたWowGo 3Xを思い出しますね。

WowGo 3Xも既に発売されていたハブモーター仕様のWowGo 3をベルトドライブに換装したような位置づけで、最高速度や航続可能距離といった目に見えるスペックは共通でした。

恐らくですが、今回のBackfireのベルトドライブモデルも、現行のハブモーターモデルBackfire G3をベルトドライブに換装したようなモデルになるのではないでしょうか。

 

最近急激に勢いを増すベルトドライブ。なぜ?

少し前まで中華電動スケボーといえばハブモーター(インウィールモーター)が主流でした。

中華に限らずとも、ベルトドライブを採用しているのってBoostedかEvolveくらいじゃない?なんて時期もあったほど。

しかし、昨今のトレンドは完全にベルトドライブと言わざるを得ません。

なぜか。

理由は主に3つあると考えています。

 

1.将来性(限界の高さ)

現時点ではベルトドライブの方が圧倒的に将来性があると言えます。

というより、ハブモーターに将来性がないと言った方が正しいかもしれません。

ハブモーターの最大の弱点、それは放熱性が悪いこと。

ウィールの中にモーターが収まっているため、速度を上げても空冷効果を得ることができません。

それどころか路面からの熱をダイレクトに受ける始末。

このため負荷(出力)を上げることができず、最高速や加速性能、登坂性能などに限界が生じてしまいます。

それでも、これまでのように時速40km+α程度を最高速とする場合はハブモーターでも十分なパフォーマンスが発揮できます。

時速40kmも出れば、多くの人は十分エキサイティングな走りが楽しめるはずですから、メンテナンスフリーで音も控えめなハブモーターは検討するだけの価値があったわけです。

しかしこれ以上、つまり将来性となると、どうしてもベルトドライブに劣ります。

まずベルトドライブはハブモーターと比べて冷却効率を上げやすく、シンプルに高負荷(高出力)で使用することが可能です。

加えてプーリーを介してウィールに回転を伝えるため、減速比(ギヤ比)によってトルクを稼ぎやすいのも大きなメリット。

というわけで、より高性能を目指すのであればハブモーターよりベルトドライブの方が優れるということが一つ目の理由です。

 

 

2.ベルトドライブの方が乗り心地に優れる

一般的にハブモーターモデルよりベルトドライブモデルの方が乗り心地に優れます。

その理由は主に2つあって、一つはウィールのショック吸収性能の問題。

ハブモーターはウィールの内側にモーターを設ける必要があるため、どうしてもウィールの肉厚が薄くなります。

この分、路面から伝わる衝撃を乗り手に伝えやすいわけです。

とはいえ、個人的な話をさせてもらえばこれはあまり気になりません。

昨今ではラバーウィールを採用したモデルもチラホラ出てきていますし、そうなると多少肉厚が少なくたって十分に快適な乗り心地を確保することが可能です。

極端ですが、Backfire Ranger X1、X2やWINboard Spark Xなんかは最たる例ですね。

 

ウレタンウィールに限定した場合は確かにウィールの硬さに起因する突き上げ感を感じることもありますが、その気になればライザーパッドやクッション性の高いデッキテープで改善できないこともありません。

・・・まぁここまで来るとちょっと無理やり感がありますねw

そこまで気にはなりませんが、やはりどちらが上かと聞かれれば、間違いなくベルトドライブの方が乗り心地が良いと答えます。

ベルトドライブならウィールの選択の幅が広がるので、お気に入りの電動スケボーにあとからラバーウィールを装着させるなんてことも可能です。

 

もう一つがコントロール性の良さに起因するもの。

プーリーで減速比を設けることが可能なため、セッティング次第ではかなり細かな加減速が可能となります。

一般的にハブモーター仕様と比べてブレーキの効きが良いため、その点も乗り心地(乗りやすさ)に貢献していると言えます。

 

3.ハイパフォーマンスなハブモーターは必ずしも静かではない

これまで国内外を問わずハブモーターのメリットに静粛性を挙げる人(あるいはメーカー)は多数存在しました。

かく言うでんすけもその一人。

実際にこれまで数多くの電動スケボーに乗ってきた経験から、ベルトドライブの方が音が大きくなる傾向にあるのは間違いないと感じています。

しかし、2019年頃から加速や登坂力を強化したハブモーターモデルが増え、その結果ハブモーターでもそれなりにモーター音が目立つようになってきました。

静粛性を捨てる代わりに出力を向上させたようなイメージ。

例えば同じメーカーで言うと、Backfire G2tまでのモデルとそれ以降のモデルとでは音の大きさが全く異なります。

見た目のスマートなBackfire Miniも低速時からかなり大きなモーター音を発するため、せっかくのナチュラルな見た目とは裏腹に電動スケボーであることがまるわかりです。(プッシュでも音がするのでガッカリ。音を気にしなければ最高に楽しい1台ですが。)

逆にBackfire Ranger X1はラバーウィールということも込みで静粛性が抜群で、X2がデビューして結構経ちますが、未だに乗り換えに至っていません。

今思うと静粛性と性能のバランスは2018年ごろの電動スケボーが最も優れていたかもしれませんね。

Backfireに関して言えばG2からG2sで劇的に進化したことが強く印象に残っているため、多少思い出補正が入っているかもしれませんが・・・。

ちょっと話が脱線してしまいまいましたが、とにかく今後はハブモーター仕様であっても必ずしも静粛性に優れるとは言い切れません。

戦術の通り、ハブモーター仕様であっても出力を上げてビッグトルクを稼ぐのがトレンドだから。

 

ではベルトドライブはどうかというと、こちらは一昔前のイメージとは異なり、少しずつ静粛性が向上しているように感じられます。

どうやらベルトドライブであっても各パーツやパーツ間の剛性、ベルトの張り具合などによって音の大きさが変化するようで、この傾向は今後ますます加速するかもしれません。

とはいえ、静粛性を追求するとやはりベルトドライブがハブモーターに勝つのは難しいと思います。

実際、インスタの動画も結構うるさいですよね(笑

しかし、最新のハブモーターモデルが静粛性を度外視している今、「どうせうるさくなるならベルトドライブで良いや」と考えるのは自然な流れと言えるかもしれません。

 

今後の動向とハブモーターの将来

個人的にBackfireがベルトドライブに手を出したのはかなり衝撃的なニュースです。

完全に予想できたことではありますが、それでも大きな意味を持ちます。

すなわち、ハブモーター全盛期が終焉を迎えたということ。

既に先のWowGoより前にOwnboardが、さらに最近は日本でも人気の高いExwayもベルトドライブを採用しています。

これにBackfireが続いたとなると、おそらくMEEPOあたりも追従してくるでしょう。

ここから先は中華電動スケボーメーカーによるベルトドライブの開発競争に期待大。

 

しかし、ハブモーターが完全に姿を消すということもないでしょう。

スペックにこだわらなければまだまだハブモーターの方が安価。

入門用としての需要は十分にありますし、入門用とはいえそれで満足できるという人も多いでしょう。

現状はハブモーター=低スペックというわけではありません。

あくまでスペックにこだわる中~上級者以外にとっては、ベルトドライブの方が可能性が大きいという段階。

正直2019年後半頃から中華性電動スケボーの進化がやや停滞したかと思っていましたが、ベルトドライブを採用するメーカーが増えた今、また新しい進化が始まりそうですね。

ベルトドライブBackfire、要チェックです!